ふと立ち寄った映画館で見た『善き人のためのソナタ』
1980年代の東ベルリンを舞台にした、秘密警察の内幕を描く映画です。
社会主義政権下で、「表現」に足かせをつけられた芸術家たち。
そんな彼らの、権力への静かな闘いと、そういった反政府分子を監視する諜報員の日々を追ったドキュメンタリータッチの作品です。
解説は
公式ページにゆずるとして
(まぁでも、映画は予備知識なしに見た方が面白いと思いますよ!)
本編で流れる音楽が、その時代の暗く重い空気をあぶり出していました。
物哀しさもすごく感じたかな。
タイトルの「悲愴」は、ベートーベンのソナタ。
作品中では流れなくて日本盤のサントラに入っているのですが、
映画を見た後にエントランスで試聴して、涙がパラパラこぼれてきました。第2楽章。
もはや "祈り" ですね。本当に美しい旋律。
この「悲愴」は第1楽章をとにかくよく弾いたものだけど、久しぶりにものすごくピアノに触れたくなりました。
深い深い愛に満ちた映画だと思います。
誰かを想うことの素晴らしさ。響きました。